ツアーサポートの舞台裏を見る vol.56 ~キャメロンとオデッセイ

販売店に有効な情報満載!?2大ブランド担当者が語るJGTOパター事情
■8月30日(水)、フジサンケイクラシック(山梨県/富士桜カントリー倶楽部)

今回は、JGTOでのパター情報について報告いたします。スコッテイキャメロン担当の澤岩男氏(アクシネットジャパン)、オデッセイ担当の中島申隆氏(キャロウェイゴルフ)に話を伺いました。JGTOのヘッドタイプ別使用状況は?
「キャメロンではブレードタイプが60%を占めて、マレット・L字で40%といった状況です。主力のブレードはクランクネックが90%以上で、ベントシャフトやセンターシャフトは少数です」(澤氏)
「オデッセイはやはりマレット中心で50%以上、残りの半分をブレードとL字で構成。マレットはベントシャフトが約8割と主力ですが、最近センターシャフトの需要も増えています」(中島氏)

ヘッド重量については両社ともに350gを中心として重い・軽いを考えているようです。やはりブレードは軽め、マレットは重めと考えられます。
長さは選手によって本当に千差万別ですが、男子では34インチを中心に動いているとのこと。重量が軽めのブレードは少し長めの傾向で、重量が重めのマレットは短めも増える傾向の様子。

ロフトはキャメロンが標準3~4度、オデッセイでは3度が基準で選手別に調整するとのこと。基本的には遅めのグリーンではロフトを大きくし、高速グリーンではロフトを立て気味にするようです。

グリップに関しては、重量が軽めのブレードが主力のキャメロンはオリジナルを中心に細めのタイプ。一方のオデッセイは重めのマレットが中心のため、『スーパーストローク』のような太目のグリップを装着するケースが目立ちます。
選手のパター選びの基準は①見た目、②打感、③グリップ形状、といった順番に進むケースが多いようです。販売店に有効なアドバイスは?

「ブレードパターを使いこなすには、基本に忠実なアドレスで目の下よりボール一個分外側に置くほうがスムーズなストロークにつながると思います。また、パターの重心位置はフェースバランスより少しだけバランスが崩れる程度が基準になると思います。方向より距離感を重視するセッテイングを薦めます」(澤氏)
「手を主体にストロークする場合はブレード、ショルダーストロークであればマレットを薦めます。速いグリーンに対してヘッドをゆっくり動かすのであればヘッドにウエイトを、手をゆっくり動かしたければグリップ側に鉛を貼ることで解消されますよ」(中島氏)

今後、アフターマーケットでは各メーカーからパターヘッドのパーツ販売が計画されているようです。工房での新たな事業としてもパターフィッテイング販売が期待されており、注目を集める分野になりそうです。

【この記事は『月刊ゴルフ用品界 2016年10月号』に掲載したものを転載しております】

ABOUTこの記事をかいた人

1954年生まれ
成城大学1976年卒業 
1979年 マグレガーゴルフジャパン 
セールスマネージャープロダクトマネージャーを兼任
1987年 フィラジャパン設立メンバーとして参加 
1989年 タイトリストリストジャパン(現アクシネットジャパン) 設立メンバーとして参加 
シニアマネージャーとして営業・商品開発・広告販促・ツアーサービスをまとめる。
2001年 有限会社ビー・ヒット 設立
執筆業務 業界誌「ゴルフ用品界」で「ツアーサポートの舞台裏を見る!」を連載中