創業25年を迎えたキャロウェイの取り組み キャロウェイゴルフ株式会社  松尾 俊介

SLEルール」は本当にゴルファーのためになるのか!
高反発フェースのドライバーはクラブとして認められないというけれど・・・

クラブフェースの反発係数を0・830以内に抑えるSLEルール(スプリング効果規制)が2008年1月1日から施行される。高反発クラブはゴルフ規則によって正式なゴルフ用具として認められないというもの。しかし、現状では「ルールだからといって素直に受け入れられない」などの意見も多く、一般ゴルファーやゴルフ場も含めて賛否両論が渦巻いている。SLEルールの今後の問題点、一般のアマチュアゴルファーに与える影響などについて識者の意見を集めてみた。


 

創業25年を迎えたキャロウェイの取り組み

キャロウェイゴルフ株式会社
松尾 俊介 氏

SLEルールへの対応と対策

キャロウェイゴルフは2001年よりドライバーのヘッドに適合、非適合の表示をレーザー彫刻で行い、2005年モデルからはドライバーのフェースにシールを添付して明確に判断できるようにしてきました。しかし、2006年モデルからは全てのドライバーを適合モデルに切り替え、現在に至っています。

SLEルール規制が2008年から始まることは周知の事実であり、特に日本市場には高反発に負けないボール初速を達成するために、さまざまな部分で改良を加えた適合クラブを開発しています。

クラブ作りのこだわり

一般ゴルファーは「何ができて」「何ができない」のかを観察し、道具でそれを助けられないのかと考えています。つまり、ゴルフを楽しめる道具を作ること、しかも、市場にまだでていないもので、ゴルファーが「わくわくする」クラブ開発を目指しています。素材、製法にはこだわらず、良いゴルフクラブを作ることができるなら、あらゆる方法を考えてトライしていきます。

創業者イリー・キャロウェイの理念

イリー・キャロウェイは3つのビジネスを成功させ、アメリカでは有名な人物です。次の言葉が彼のやり方を表しています。

Demonstrably Superior & Pleasingly Different〈明らかに優れていて、その違いを楽しむことができる〉物作りをすること。そのためにはSTORYが必要だと考え、実行してきました。そして、Take a Risk〈リスクを取れ〉とは準備を怠らずにチャレンジし続けることです。最後にHit till Happy〈成功するまで何度でもやる〉これらの理念で全てを推し進めてきました。

SLEルールに対する創業者の考え方

ERCⅡを市場に投入するときは悩みました。ゴルファーの約10%は競技志向であり、90%近くはレクリエーションとしてゴルフを楽しんでいるからです。規制を受けるべきゴルファーはトップレベルの限られた人数であり、飛距離が必要な女性、シニア、非力なゴルファーには規制を押し付けずに、もっとゴルフを続けてくれるなら、それはゴルフ業界にとって良いことです。

しかし、ルール適合クラブを作ることはメーカーの務めという結論に達し、現在は適合クラブのみを製造・販売しています。

レガシーを上梓した背景

2007年、キャロウェイゴルフは25周年を迎え、創立以来、四半世紀を終えることになります。2008年は、キャロウェイゴルフの新たなはじまりの年であり、この区切りの年に、新しくLEGACYという商品を発表しました。

LEGACYには、遺産・伝承という意味があり、キャロウェイゴルフが25年で培ってきた先進の技術とパフォーマンスは、その時々のクラブの新時代をリードしてきたという自負があります。LEGACYは、創業者イリー・キャロウェイの哲学を、今後も伝承し、さらに進化させていくために完成させた究極のフルチタンドライバーです。日本のゴルファーが最高のパフォーマンスを発揮できるドライバーとして開発しました。