発展の要諦は異業種交流 ~片山 哲郎~

ゴルフ用品関係者の反応は、二分される。ネット販売の台頭に「黒船きたる」の拒否反応か、逆に好機と考えるのか。この差は天と地ほどにも違うだろう。

過日、ゴルフ専門のオンラインショップがテレビ番組で紹介された。僅か数年で上場し、創業者利益は百億円超……。このことは反面、業界の怠慢を浮き彫りにする。異業種の包丁で料理すれば、ゴルフビジネスは美味しかった。

昨今、新規参入が止まらない。特に流通は活発で、家電量販や中古チェーンの参入で閉店するショップが増えている。ニューカマーにとってゴルフ市場は魅力的、穴が鮮明に見えるのだろう。

業界のテーマは市場の拡大である。だとすればネットショップなりネット予約は歓迎すべき存在だが、これを嫌悪する心情は、既得権を侵される、新参者は油断がならない、そんなところに根差している。

ただ、徐々に新旧の交差が始まった。異業種交流も活発だし、そこから新しいサービスも生まれている。神戸のある専門店は化粧品メーカーと提携して無料スキンケアを行ったが、評判は上々だったという。担当した美容部員いわく、「ゴルフをする女性の肌年齢は、実際より3歳老けてます」……。

紫外線が市場拡大の障害になる。そんなことが異業種交流で分かってきた。