あるべきゴルフジャーナリズム ~服部弘志~

JGJA創立10周年によせて

日本のゴルフ界の活性化が叫ばれて久しい。日本ゴルフジャーナリスト協会では、創立10周年という節目を迎え、ジャーナリストという立場から、日本ゴルフ界をさらに発展させていくにはどうすべきか、協会としてどのような活動を行っていけばよいのか、会員の皆様にさまざまな助言・提言をいただいた。

弁護士・札幌学院大学客員教授
JGJA会員
服部弘志

わたしのような職業の者が、日本ゴルフジャーナリスト協会への入会を許されたのは、昭和52年からゴルフ週刊誌や新聞などに、ゴルフ場問題や会員権について執筆してきたこと、また、中島常幸プロのマネージャーとして、彼の契約やマスコミの取材の窓口になっていたことにあるかもしれない。いずれにしても、一般のゴルフライターや評論家の方とはかなり違った視点から、限られた紙面のなかで、私が望むゴルフジャーナリズムについて浅見を述べてみたい。
ゴルフジャーナリストは、テレビやスポーツの新聞・雑誌を通じて我が国のゴルフ界のオピニオンを形成・リードする任務があることはだれも否定しないであろう。そのためには、例えばプロのトーナメントについても、ジャーナリストとしては、主催者・テレビ局・出場しているプロゴルファーらに遠慮せずに辛口の意見を述べてもらいたいと思う。ときに言われることだが、プロゴルファーがプレーの合間にタバコを吸うことなど見苦しいこと甚だしく、これなどは、ゴルフライターの方は、ことあるごとに解説や紙面のなかで批判してもらいたい。また、アメリカのツアーのテレビ中継を見ていると、我が国のテレビ中継は、みすぼらしくて見る気がしなくなるのはなぜかを考えてみなければならない。単に、ゴルフ場の素晴らしさや技術の高低だけでなく、選手の言葉遣いやマナーなど品格の違いは覆うべくもないのである。運営についても意見があろうかと思う。これは、ゴルフの歴史の違いと片付けることはできない。もちろん、ゴルフジャーナリストの責任ではないが、ジャーナリストはオピニオンリーダーたりうるのである。
さらに、トーナメントの中継が録画などというのは論外で、野球中継が録画であれば、ファンの暴動も起きかねない。ゴルフジャーナリズムの立場から、問題提起しなければならないことがいくつもあるのではないか。